1月に意思の疎通が難しいほどボーッとなったじーちゃんだったが、最近は少し回復して意思の疎通が可能になった。
歩行器を使っても、本当に歩けない時と、歩けるのに歩かない時がある。
脳が指令を出せていないかもしれないが、歩ける時と歩けない時は見ていてわかるつもりだ。
最近は歩けるのに歩かない時には「歩け~ん!」とやたらと弱音を吐く。
そんな時は1月のボーッとしていた時の方が聞き分けが良かったなあ、なんて思ったりする。
先日、朝の忙しい時にじーちゃんがそんな状態になってイスの前でへたり込みそうになった。
「イスに座りなさい!」私は叫んだ。
キレてしまった私はつい怒鳴ってしまった。
「お義父さんのせいでみんな寝不足なんだよ!
これ以上悪くなったら住み込みだからね!」
じーちゃんは高齢者施設のことを「住み込み」という。
なので、これ以上悪くなったら高齢者施設に入れると怒鳴ってしまった。
その日の夕方、旦那が仕事が早く終わり、私より早く家に帰った。
まだヘルパーさんがいたそうだ。
ヘルパーさんによるとじーちゃんは「嫁さんに怒られた。」と言ってショボーンとしていたらしい。
ヘルパーさんが帰った後、旦那が着替えさせようとしたら、
「よいしょ、よいしょ。」
と必死に自分から足を上げたそうだ。
旦那からそう聞いたら涙が出てきた。
じーちゃんが悪いわけじゃないんだよなあ。
普通に真面目に生きてきて最後に認知症になるなんて辛いよなあ。
なんだかとても切なくなってしまった。