CVポートを取り出した翌日はQUEENのコンサートだった。
「動いていいですか？」
私が主治医に聞いた。
「日常生活の動きはいいですが、運動は抜糸までやめておきましょう。」
と主治医が答えた。
コンサートは運動ではないな、と勝手に思った。
じーちゃんの頭の調子が悪くなったので、私と旦那で行く予定だったコンサートチケットを2枚ともチケットトレードで売って、コンサートに行くのを諦めようと思っていた。
「俺が親父を見てるから、誰か誘って行ってこい。」
旦那が私に言った。
「あ、ありがとう。」
最近は手伝ってくれるようになったが、それでも7～8割くらいの割合で私の方がじーちゃんの介護をしているので、この申し出はありがたく受けた。
秋に『ボヘミアン・ラプソディ』の応援上映に付き合ってくれた職場の同僚と行くことにした。
35年ぶりのQUEENのコンサートは良かった。
かっこよかった。
行って良かった。
70歳であれだけ動いてギターを弾いて歌う元気な姿を見せられると、更年期障害で手や足が痛い痛いと愚痴っている自分がとても小さい人間に思えた。
まあ、素材が違うけど。
才能があって、富と名声もあって体力もある70歳。
そして愛嬌もある。
凄い。無敵だ。
行く前は号泣するかなあ、と思っていたが、2曲程じわっと涙が出たが、全般を通して自分が笑顔になっているのが分かった。
素晴らしいパフォーマンスに元気をもらい、温かい雰囲気に心がほっこりした。
楽しいコンサートだった。
癒されたなあ。
また来ることがあったら、今度は旦那も連れて行ってあげたいなあ。
