去年の秋、乳がんになった時、旦那の友人にお守りを貰った。
そのお守りは、ガン封じ寺で有名だという無量寺のものだった。
旦那はお守りをくれた友人に「盆休みにお礼参りに行った」と言いたいようだった。
観光バス用の駐車場もあり、駐車場はそこそこ広かった。
普通車用の駐車場は20台弱くらいあったが、結構埋まっていた。
お参りに来る人が多いようだ。
たくさんの絵馬が掛けられている参道を過ぎて本堂へ行った。
本堂の一角には千仏洞があり、一通り中を回って、いろいろな仏様にお参りをした。
千仏洞を回った後に本堂でお礼をした。
再発しませんように、ということで新しいお守りを購入した。
お参りしてお守りを購入して満足して帰ろうとした時に、古いお守りを返すのを忘れていたことを思い出した。
古札納所を探したが、見当たらない。
近くで作務衣姿で草を刈っているお寺の関係者らしき人がいたので、古いお守りをどこで返すのか尋ねたら、
「本堂」
と、面倒臭そうに答えた。
本堂まで戻って外と中と古札納所を探した。
見当たらないので、本堂内にある寺務所で再び古いお守りをどこで返すのか尋ねたら、
「ここでいただきます。」
と言って受け取ってくれた。
そして、後ろのドアを開けてポイっと投げた。
この一連の出来事で一気に心象が悪くなった。
5年後か10年後にホルモン療法が終わったら、菩提寺で今日購入したお守りを処分してもらおうと思った。
無量寺に再び行きたくなくなった一連の出来事は、きっと、またいちいち来なくていいよ、という仏様の思いやりだったんだ、と思うことにした。