毎日、外から家に帰ると、まずウィッグを取る。
内側からファブリーズをかけて、ウィッグスタンドに被せる。
ヘアキャップを取って、頭を拭く。
次に短パンに着替える。
そしてブラジャーを取る。
買ってきた物を冷蔵庫にしまう前に、上記のことをする。
放射線治療中は、ブラジャーをしていると胸が痛かった。
家でブラジャーなしでゆったりと過ごしていたから、照射部が酷くならなかったのでは、と思っている。
左胸は赤くなってヒリヒリするが、まだ顔の痒さが勝っていた。
照射部は大丈夫だったが、家に帰るとクラクラして、4週目になると、じーちゃんがデイサービスから帰ってくるまで横になっていた。
それなりに副作用はあるようだが、抗がん剤に比べたらマシだった。
どうでもいいことだが、気になっていた。
やっと4週目に、話し方からミニ黒田君が先輩だと分かった。
どうでもいいことだが、分かって嬉しかった。
この技師さん達と看護師さんがいつも笑顔で、放射線治療室は穏やかな空気が流れていた。
今回は、穏やかな放射線治療室とお別れするのが寂しいのだろう。
抗がん剤治療の時は、なぜ寂しくなったのか、未だによく分からない。