せとるこの日々

更年期 ああ更年期 更年期

友人からの電話

Tさんに会えたら、もっと言いたいことがあったことを思い出した。

2年前の11月下旬の夜中、旦那の携帯が鳴った。
画面にはTさんの名前が出ていたようだ。
「おい、Tさんから電話だ。」
旦那は私をバンバン叩いて起こしながら、「もし、もし。」と電話に出た。

「あれ、声が聞こえない。」
旦那が携帯を私に渡した。
「もし、もーし。」
寝ぼけながら私も呼び掛けた。
返事はない。
「間違えて押したんじゃない?明日メール送っておくよ。」
私はそう言いながら旦那に携帯を返した。

旦那は「もし、もーし。」と言い続けた。
2,3分後、「あ、切れた。」と言っていた。
私はウトウトしていた。

翌朝、Tさんにメールした。
『昨日の夜、電話があったみたいだけど、声が聞こえませんでした。またそちらに顔出しますね。』
と書いておいた。
昼過ぎに、Tさんがその日の朝早く亡くなった、との連絡があった。

私は猛烈に後悔した。
なんで寝ぼけていたんだろう。
なんでもっと呼びかけなかったんだろう。

テレビドラマとかだと、
「Tさん?大丈夫?聞こえる?私達はTさんと会えて幸せだったよ。」
などと言ったりするのだろうが、現実では無理だ。

もし、私の携帯に電話があったら、
「声が聞こえない。間違えたんだ。」
と、思って速攻で電話を切っていたことだろう。
まだ旦那の携帯に電話があって良かった。
間違い電話であって欲しかった。
でも、間違い電話でも電話が繋がっている間にもっと話し掛けるべきだったと思う。


もし、Tさんに会えるのなら、
「最後に電話くれたのに、寝ぼけててごめんなさい!」
と、心から謝りたい。