せとるこの日々

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友人との食事

6月上旬、友人夫妻と私達夫婦の4人で食事に行った。
「今度、胸のしこりの検査をするんですよ。」
と、言って以来の食事なので、約8ヶ月ぶりである。

「最近はガンが流行ってるなあ。
最初は腎臓ガンのTで、僕が大腸ガンで、あんたが乳ガンで、息子が大腸ガンかもしれないって。」
友人が言った。
友人は3年前に大腸ガンの手術をして、今は働きながら3ヶ月に1回病院に通っている。
友人の息子さんは1週間前に大腸ガンの検査を受けて、2日後に結果が出るらしい。

仲間内で、4年前に腎臓ガンになったTさんは、2年前に他界した。
最後に会ったのは、亡くなる10日前だった。
入院して少し痩せてはいたが、普通に話せて、普通に動けて、しゃんとしていて、私には末期ガン患者には見えなかった。

「僕が死んだら、僕の本は好きなもの持って行っていいから。家族にも言ってあるから。」
Tさんが言った。
私はTさんから時々本を借りていた。
遺言みたいな言葉だったが、「そんなこと言わないで!もっと長生きして!」と言う雰囲気でもなかったので、
「分かった。ありがとう。」
と答えた。
Tさんはすべてを受け入れて落ち着いていたように見えた。
まだまだTさんに会いたかったので、
「また会いましょう。」
と言って病室を出た。

日本酒とスターウォーズが好きなTさんの病室に飾ってもらおうと、お猪口とコップのフチ子さんのダースベイダーバージョンを用意した。
それは渡すことが出来なかった。

「今だったら、3人でガン談義ができたのになあ。」
友人が言った。

早期ガンで7ヶ月くらいの治療の私と、末期ガンで2年闘病生活をしていたTさんとでは、苦しみも辛さも比べものにならないだろうが、もし、あの世というものがあって、私がいつかあの世に行ってTさんに会えたら、
抗がん剤キツかったですう。」
と伝えたいと思う。

この食事の2日後、友人の息子さんの検査結果が良性だったと連絡があった。よかった。

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