せとるこの日々

更年期 ああ更年期 更年期

手を握る

今週のお題「2020年上半期」
2年前の上半期は闘病生活をしていた。
昨年の上半期は映画『ボヘミアン・ラプソデイ』を色々な映画館に観に行って浮かれていた。
そして今年2020年の上半期はじーちゃんの介護に右往左往していた。
この順番で行くと来年の上半期は楽しい上半期が送れるかな。

年始から認知症が進行して、この先どうなるんだろう、と思っていたところ脳梗塞になって、じーちゃんが入院して2ヶ月になる。
私の寝不足は無くなった。

脳梗塞をしてから左手が動かなくなったので、面会に行ったら左手をさすりながら話し掛けていた。

そういえば右手はどうなんだろう。
右手はいつも点滴の針が点いていたので触っていなかった。

先々週の面会の時に、点滴の場所が変わって右手が空いていた。
ギュッと握ると、キュッと握り返してきた。
おお、じーちゃんと意思の疎通が出来た!と嬉しくなった。

家から持って行った写真を見せると、目に力が入った。
凄い、凄い、じーちゃん、凄い、と喜んだ。

先週、我が家の地域では7月13日から15日までがお盆だった。
14日の夜に病院から電話があったので、面会に行った。

肺炎をおこして酸素吸入をしていた。
じーちゃんは苦しそうだった。
右手を握っても反応がない。
これってご先祖様がお迎えに来たのかな?と思った。

「週2回の面会制限は無しでいいです。
2人だったら誰が来てもいいです。
会いたい人には来てもらって下さい。」
看護師さんが言った。

翌日、旦那のいとこが2人面会に行った。
看護師さんによって言うことが違ったりするので、受付まで旦那も付き合った。

その日はいとこ2人の面会が許可された。(旦那は下で待機)
じーちゃんは落ち着いていたらしい。
目を開け、頷いて、何か言いたそうだったらしい。

その時、私は精霊流しに行っていた。
「じーちゃんが行くことがあったらよろしくお願いします。」とお願いしていた。

いとこからじーちゃんの様子を聞いて、じーちゃんが「まだ行かん。」とご先祖様に言ったのか、ご先祖様が「まだ来るな。」と言ったのかな、と思った。

一昨日、じーちゃんの面会に行ったら、比較的落ち着いているようだった。
右手を握るとキュッと握り返してきた。
目も開けて、何か言おうと声も出した。
じーちゃん、凄い。

今年に入っどんどん壊れて行くじーちゃんを見て、脳梗塞で入院して食事が取れず、意思の疎通も出来なくなって、点滴のみになった時、もう頑張らなくていいよ、と心の中で思った。

だが、今、まだ手を握り返してこっちを見て口を動かすじーちゃんを見ると、「じーちゃん頑張れ。」と言いたくなってしまう。
私も勝手だなあ。