せとるこの日々

更年期 ああ更年期 更年期

ドセタキセル 4回目 点滴

ラストケモだ。
足取り軽く化学療法室に入った。
ベッドに案内された。
前回、ケモ当番がリクライニングシートではCVポートに点滴を刺しづらいようなことを言っていたからか。

前回とは違うケモ当番がやってきた。
今回のケモ当番はルート確保に2回失敗した。
「この前も刺さらなかったですよねえ。ごめんなさいねえ。」
横にいる看護師さんが言った。
2回失敗したところで今回は違う先生がやってきて1回でルート確保した。
腕だと血管痛で勘弁してほしいが、CVポートは何度刺しても問題は無かった。

吐き気止めを30分点滴して、ドセタキセルを30分くらい点滴したところで、口がマズくなったので、飴をなめようとカバンに手を伸ばし、飴を取って口に入れた。
すると点滴から「ビーッ、ビーッ」と警告音が鳴り出した。
(なんだ、なんだ?手が点滴の管に引っかかったか?)
ドキドキしていたら、看護師さんがやってきた。
「飴をなめようと手を伸ばした時に、管に引っかかったかもしれません。」
私が説明すると、看護師さんは管を確認した。
管に問題はなかった。
色々確認したところ、点滴の針がズレて点滴が入っていかないことが分かった。
腕を動かしただけで針がズレるものなのか。

「ちょっと怖いので、確認のため、主治医の先生を呼びますね。」
看護師さんはそう言って針を抜いて主治医を待った。
そう待たずして、主治医はやってきた。
「なんか、ポートが動いて針が刺しづらくて、刺しても抜けてしまうようなんですが。」
看護師が説明した。
主治医はCVポートが埋まってる周辺を見てから、ルート確保をサッとして、
「問題ないですよ。慣れですよ。」
と言って去っていった。さすが職人だ。

CVポート埋め込みの時に主治医が助手に、
「体が細い人はポートが固定されるけど、それ以外の人は動きやすくなるから注意が必要。」
と説明していたのを思い出した。
そうか、私は「それ以外の人」なんだなあ。

「ごめんなさいねえ。次回はちゃんと1回でできるようにしますからねえ。」
看護師さんは申し訳なさそうに言ってくれた。
(いや、とりあえず点滴は最後の予定です。)
私は心の中でつぶやいた。