せとるこの日々

更年期 ああ更年期 更年期

CVポートの話

血管痛が気になりだした頃、いつものようにネットで情報を漁っていた。
その時、CVポートというものの存在を知った。
CVポートとは、血管が細かったり脆かったりして、点滴針を刺すのが困難になった場合、首の血管からカテーテルを挿入し、ポート本体を胸の皮膚の下に埋め込み、中心静脈から薬剤の点滴を行うための医療機器らしい。
「私もCVポートが必要な日がくるのかなあ。」
そう思ったりしたが、今までCVポートの話は出ていない。

診察室で横になっていると、トレーナー姿の若い女性が入ってきた。
「こんにちは。」と、挨拶をされたので、こちらも「こんにちは。」と答えた。
(業者の人かなあ。)
と思っていたら、針を持ってこっちに来たので、先生だと分かった。
(先生だったのか・・・。)
白衣を着ていないので、全然分からなかった。

この先生はとても優しく手を持ってさすって優しく針を刺してくれた。
でもルート確保はできなかった。
2か所試したところで、私が苦痛の表情をしたら、手を止めて、看護師さんに、
「ポートの話は出てる?」
と聞いた。
おお、CVポートの話が出た!
「今、チラっと言ってましたが・・・。」
と、看護師さんが答えた。
「ポートってすぐ付きますか?」
二人の会話に私が割って入った。
「1時間くらいかな。」
先生が答えた。
「是非、ポートをお願いします!」
私はお願いした。

先生はルート確保の必要がなくなったからか、ポートの話を主治医にしに行ったのか、診察室からいなくなった。
横にいた看護師さんが、CVポートを付けたら、その日の点滴は無理で翌日になるから、退院が1日延びると説明してくれた。
「全然構いません。」
と私は答えた。じーちゃんの夕ご飯だけヘルパーさんに頼んでおけば、あとは気になることはない。

しばらくして看護師さんから入院の手続きをして病棟へ行くように言われた。
血管痛と何度も針を刺される恐怖から解放されるんだー。
あの、女医さんいい先生だったなあ、と喜々として病棟に向かった。
単純な私はすぐ調子に乗る。
いつまでたっても学習できないのは残念である。