せとるこの日々

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点滴のルート確保

EC療法1回目で入院した時、看護師さんが私の腕を持って言った。
「あー、血管細いねえ。でも、ルート確保するのは先生だからいいか。」
私はすぐいつものように「ルート確保」を調べた。
『静脈内に針やチューブを留置して輸液路を確保する処置である。』
なんとなく想像していた通りの答えだった。

ドセタキセル1回目も入院するので、病棟に移ってルート確保するかと思ったら、診察室で主治医がルート確保をするようだった。
主治医は以前、手際よくルート確保してくれたので、安心して右腕を出した。
「ちくっとしますよ。・・・あれ、やり直しますね。」
「・・・ちくっとしますよ。・・・あれ、やり直しますね。」
「・・・ちくっとしますよ。・・・あれ、やり直しますね。」
3回くらい繰り返したところで、(あれあれ?)と思った。

そういえばEC療法3回目あたりから血液検査でも化学療法室でも一発で針が刺さらなくなっていた。
同じころ血管痛もひどくなっていった。
左腕はリンパ節の切除をしていて重いものを持たないように、と言われていて、右腕は血管痛で荷物を持つとピーンと引っ張られた痛みがあった。
どこで荷物を持てばいいんだ?と思い、結局後日荷物を運ぶためにキャリーカート(コロコロ)を購入した。

5、6回繰り返すと、そこら中の血管が痛くなって手が震えだした。
「痛いです。」
私がそう言うと、
「腕をかえましょう。」
と主治医が言った。
左は点滴禁止の腕のはずなのに「?」と思いながら左腕を出した。
「いや、針を刺す人間をかえましょう、ということです。」
と主治医が言った。

待合にはたくさんの患者さんが待っている。診察室に30分くらいいたので、後もつかえていることだろう。
前日の血液検査でも途中で上手な人に代わって無事血液が採取できた。
上手な人に代わって、一発でルート確保してもらって、病棟に行くんだな。

ヘロヘロに血管痛が加わりながらもお気楽に考えながら、別の診察室に移った。