せとるこの日々

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先生を待っている間

先週、私はじーちゃんの入院手続きをしに病院へ行き、じーちゃんの病室で6時間半先生を待った。

前日、救急病棟でじーちゃんに話しかけ、「また明日来るからね。」と言って手を振った時のじーちゃんは捨てられる猫のような顔をしていた。

先生を待っている間のじーちゃんは悲しそうな顔をしていなかった。

デイサービスから救急車で運ばれた日の朝、私はじーちゃんとそう会話をしていなかった。
いつものように朝食を出して、こぼしたおかずを拾って、薬を飲ませて、トイレに行かせた時にヘルパーさんが来たのでお願いして家を出た。

今まで後悔しないようにじーちゃんに接してきたつもりだったが、ここ数日はちょっと疲れて優しさが足りなかった気がする。

とりあえずじーちゃんに謝った。
「バタバタしてて気付いてあげられなくてごめんね。」
少し頷いたようにも見えたが、じーちゃんの表情は変わらない。
聞こえていないのかな。

そこへ若い女性の作業療法士が来た。
「バンザイできますかー?」
じーちゃんは喜んでベッドの上でバンザイをした。
あれ、聞こえているのか?

「水は飲めますか?」
作業療法士がコップをじーちゃんの口にあてると、ゴクゴク飲んだ。
「凄いですねー。この調子だと食事が出来るようになりそうですね。」
褒めてもらった。

私はじーちゃんに、
「良かったねー、褒められたねー。」
と言うと、じーちゃんは嬉しそうな顔をした。

しばらくしてちょっとごっつい男性の理学療法士が来た。
「足動かせますかー?」
そう聞かれてもじーちゃんはボケーっとしている。

認知症脳梗塞になっても若い女性に反応するじーちゃんがかわいかった。

ちょっと静かになるとじーちゃんはウトウトしていたが、目を開けた時は話し掛けた。
難しい会話はできなかったが、体はしんどくなくて、ベッドの寝心地がいいとのことだった。よかった。

看護師さんや作業療法士さんの前でじーちゃんが張り切って、回復に向かう入院生活でありますように。