せとるこの日々

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じーちゃんの部分入れ歯

日曜日の夜中に、床に横になってトイレが間に合わなかったじーちゃんは、2日くらいで普段通りに戻りつつあった。

「あんなこと初めてだ。どうなるかと思った。」
日曜夜中のことを覚えているようで、じーちゃんは言った。

いや、あんなこと今までに何回もあったし、こっちがどうなるかと思ったわ・・・と心の中でツッコんだ。
まあ、あれ以上悪化しなかったのでよしとしよう。

じーちゃんは私の事を何故か「姉さん(ねえさん)」と呼ぶ。
矢沢永吉を「永ちゃん」と言うのと同じイントネーションで「姉さん」と言う。

日曜夜中はパニックって呼ぶことも出来なかったようだが、非常事態の時には私を呼ぶ。

水曜日の朝にじーちゃんが「姉さん!姉さん!」と呼んだ。
久しぶりの「姉さん」に、おおー何が起こったんだ?と緊張した。

「入れ歯が落ちた!」
じーちゃんは洗面所から私を呼んでいた。

洗面所で入れ歯が落ちた?
じーちゃんは上の歯は全て入れ歯だが、下の歯は1本だけ部分入れ歯になっている。
下の部分入れ歯は指輪ほどの大きさだ。下の部分入れ歯を排水溝に落としたらしい。

洗面所の排水口には網皿とプラスチックの受け皿がある。
じーちゃんは部分入れ歯を取ろうとして、この皿を動かしたんだろうか。

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あみ

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受け皿

上から見ても何も見当たらなかった。
下の収納扉を開け、排水管のUの字の部分のパイプをはずした。
落ちてすぐだったら、ここで留まってるはずなのだが部分入れ歯はない。

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ここにも入れ歯は無かった

「水流した?」私がじーちゃんに聞いた。
「流したかもしれん・・・。」じーちゃんが言った。

その日の昼休みにじーちゃんの行きつけの歯医者に電話した。
事情を話したら、他の予約でいっぱいらしかったが、じーちゃんの予約を入れてくれ、昨日入れ歯の型を取ってもらってきた。

できあがりは2週間後。
じーちゃんは「あんなこと初めてだ。」と言った。
確かに入れ歯を流したのは初めてだった。
この先、入れ歯を流さない対策を考えよう。