じーちゃんは、昨日誕生日を迎え、満88歳になった。米寿だ。
じーちゃんおめでとう。
昨年の敬老の日に、数えで88歳だったため、市からお祝いのポストカードが届いた。
前は金一封貰えると聞いていたが、高齢者が増えたので米寿はメッセージカードだけになったようだ。
100歳だと金一封が貰えるらしいので、じーちゃんは100歳まで頑張ると言っている。
この1年は救急外来に連れて行くことは無かった。
すごいぞ、じーちゃん、元気になったか？
だが、私が仕事から帰ってから、調子が悪いと言うので、夕方に近くの病院に何度か連れて行っている。
毎回、特に問題は無かったが。
この1ヶ月の、床で横になってトイレに間に合わない、部分入れ歯を排水溝に流してしまう、洗濯物入れのカゴにお尻からはまってしまう、などのハプニングを考えると、元気になったとも言い難い。
まあ、ぼちぼちというところか。
米寿祝いの食事会を開催するほどの家でもない。
「記念写真を撮って欲しいのう。」とじーちゃんが言っていたので、写真館へ米寿の記念写真だけ撮りに行こうかな、と思っていた。
先日の祝日、私は家にいた。
デイサービスの送迎車で帰ってきたじーちゃんを迎えに出た。
車から降りる時に、じーちゃんはデイサービスの職員さんに、
「うちの世話人。」
と杖で私を指して言った。
その言い方が偉そうだったので私はイラッとした。
「なんて言い方するの～！」
と、職員さんと笑って言い返したが、心の中で、
（写真撮影は無期延期じゃ！）
と決めた。
じーちゃんには写真館に行くことを言ってなかったので、問題はない。
基本は頑固おやじではなく、へたれでかわいいじーちゃんなので、私はじーちゃんが好きだ。
だが、調子に乗ったり、暴言を吐いたりするとイラッとする。
まあ、年齢的なものや認知症なので仕方ないと思うようにもしているが、やっぱりイラッとする。
昨日は誕生日プレゼントのセーターを渡し、明日はじーちゃんの好きな鰻を食べに行く。
いつもと同じ誕生日を過ごしている。
かわいいじーちゃんに戻ったら写真撮影にも行こうと思う。
今の体の状態で、できればかわいいじーちゃんのまま、この先も過ごせますように。
