せとるこの日々

更年期 ああ更年期 更年期

頑張った

今週のお題「2020年上半期」
先週と同じお題だったので、先週の続きを書こうと思う。

じーちゃんは今年に入って認知症の症状が一気に進み、5月に脳梗塞になって、病院に入院した。

食事も取れず、話すこともできず、唸り声を出して、ボーっと寝た状態のじーちゃんに「大丈夫、もう頑張らなくていいよ」と心の中で語り掛けることもあった。

先週、この地域のお盆期間に危篤状態になったが、持ち直した。
手を握ったら握り返した。目を見開いてこちらを見た。
そんなじーちゃんを見たら、「頑張れ!」と応援するようになった。

「頑張れ!」と応援を始めた今週初め、じーちゃんは息を引き取った。

夜中に病院から電話があり、駆け付けたら心電図モニターの数字は0になっていた。
看護師さんによると、ついさっきまで心臓はかすかに動いていたらしい。
死に目にはぎりぎり会えなかったのかな。

でも触ると温かかったので話し掛けた。
「頑張った、頑張ったね。」
涙は出なかった。
安らかな顔をしていたので、やっと楽になれたんだと思ってホッとした。

その後は感傷に浸るより、療養型病院のスタッフさんの手慣れた一連の作業に感心していた。
当直の先生が死亡宣告をして、看護師さんに霊安室に運ばれ、体をきれいにしてもらい、入院中の荷物がダンボールに入れて渡された。

葬儀会社の車が到着し、じーちゃんを車に乗せて、出発するとき、病院スタッフさんは深くお辞儀をして見送ってくれた。
スムーズな一連の流れに、慣れてるな~、凄いなあ、と思った。

朝5時の明るくなりかけた中でのお見送りに、雨じゃなくて良かった~、とも思った。

普通の家に生まれて、普通に働いて、普通に家庭を持って、普通に老後を過ごしたじーちゃんは普通に一生を終えた。
認知症は余分だったな。
今年に入ってからの痛い、痒い、せん妄等はもっと余分だったな。

後から後悔しないように、とじーちゃんには向き合ってきた。
でも、今年に入ってからは余裕が無くなっていた。
今年の夏が終わりだと分かっていたら、仕事も辞めていた方が良かったかな、なんて思ったりもした。
でも、先のことは分からなかったしなあ。
やっぱり、後悔しちゃったなあ。

入院してからは、痛みや痒みがありませんように、あっても脳の神経が麻痺して分かりませんように~、と祈り続けた。

今年の前半は体の変調が多すぎてじーちゃんも辛かったことだろう。

最期の顔は安らかだったから苦しくは無かったと思いたい。

じーちゃん、お疲れ様、よく頑張った。