夕方、電話をして心療内科に行った。
じーちゃんがデイサービスから帰ってきてからにしようか迷ったが、夕方の心療内科は混んでいるイメージがあった。
せっかちな私はさっさと終わりたかったから、置手紙を書いて早めに家を出た。
『少し外に出てます。』
玄関の門柱にメモを貼った。
これでデイサービスの職員さんは家の中までじーちゃんを連れて行ってくれるだろう。
『少しだけ病院に行ってきます。すぐ帰ってくるからね。ご飯食べてね。』
じーちゃんの部屋に夕食とメモを置いておいた。
心療内科はまだすいており、すぐ順番がまわってきた。
「ノルバデックスと飲み合わせが大丈夫な薬ですか。」
これで飲み合わせの心配はなくなった。
(じーちゃんが帰ってくるのに間に合うかもしれない。)
結構スムーズにいったので、ホッとしながら調剤薬局に行った。
午前中に処方されたノルバデックスもまだもらってなかったので、一緒に処方箋を出した。
「すみません、タモキシフェン(と処方箋には書いてあった)は在庫がありません。」
と言われた。
そうか、どこでもある薬ではないんだ。
結局、じーちゃんより後に家に着いた。
玄関の扉を開けると、じーちゃんが、
「大丈夫か!」
と言って摺り足で部屋から出てきた。
見たら、目に涙を浮かべている。
『病院』と書いてあったので、重大事件があったと思っていたようだ。
ここ数ヶ月は、じーちゃんがデイサービスから帰ってきたら、私かヘルパーさんがいるようにしていた。
で、誰もいないので、不安になったようだ。
置手紙書いたんだけどなあ。
でも、頭のネジがずれていない時は、かわいいじーちゃんである。