まず、鎖骨のやや上辺りに穴を開けてカテーテルを通した。
私に説明し、研修医に解説しながら、手際よく進んでいる。
麻酔が効いているので、痛みはない。
次にポートを埋め込む皮下ポケットを鎖骨の下に作るらしい。
「大胸筋のここを切れば血は出ない。」
と研修医に説明していた。
(そうか、今切られているところは血が出ていないんだな。)
切られながら、私も勉強した。
切開が進んでいくと、
(あれ、痛い?)
(いや、大丈夫。)
(あ、やっぱり痛い。)
「痛いです。」
と声を出した。
感覚が鈍くなっているのか、痛いのかどうか一瞬分からなくなっていた。
麻酔を足してもらうとすぐ効くのだが、躊躇した分痛みを感じた。結構痛かった。
その後、もう一度痛みを感じたので、その時は悩まずにすぐ言った。
また、焦げ臭いニオイがした。
CVポート埋め込み手術をした人のブログで『止血のため血管を焼く』とあったが、そのニオイなんだろうか。
血管なのか皮膚なのか私の一部が焦げているニオイには違いない。
いいニオイではなかった。
ポケットが出来、ポートを埋め込む段階まで来た。
ここが結構痛い、と色々なブログで予習していたので、歯を食いしばった。
だが、痛かったものの、我慢できる痛みだった。
想像以上に主治医が慣れているようだった。
手術が終わりかけると、看護師さんが、
「次の患者さんを呼びますか?」
と聞いていた。
休憩なしで次の手術をやるのか。凄い。
手術時間は約40分。
手術室を出ると、次の患者さんが待機していた。
車椅子に乗せてもらってレントゲンを撮って病室に帰った。
ビビッていたが、そう痛みもなく、肺に穴が開くこともなく、CVポートの埋め込みは無事に終わった。