せとるこの日々

更年期 ああ更年期 更年期

CVポートの説明

ベテラン風看護師のパワープレイでヘロヘロだった私はボロボロになった(気がした)。

点滴が終わってしばらくしてから主治医が来た。
「どうですかー。」と主治医。
「泣きながら点滴受けました。」と私。
特に返事はない。まあ、そんなもんだ。

「ポートはインターネットで見ましたか?」
「はい。」
女医さんか看護師さんが私がCVポートを知っていることを伝えてくれたようだった。
「残り3回でポートにするのは悩ましいんですが・・・。」
気を使っているのか、お勧めしないのか、主治医の言い方は分かりかねた。
「ポートをお願いします。」
しかし、私はCVポート一択だった。
残り1回でもCVポートを頼んだだろう。いや、残り1回だったら抗がん剤を止めたかもしれない。
血管だけでなく気持ちもボロボロになっていた。

主治医はCVポート埋め込み手術時、手術後の合併症や感染症の説明をした。
動脈に針があたって起こる動脈穿刺、肺に針があたって起こる気胸・血胸。体内でカテーテルやポート本体が破損する、ポート周囲が皮膚トラブルを起こす、感染を起こす等々。
小手術をするので、これらの説明は必要なのだろう。

抗がん剤治療が終わったら、ポートは取り出すんですか?」
私が聞いた。
「いや、そのままにしておきましょう。再発したら使えますし。」
(初発の治療中に再発の話ですか・・・。)
さっきのパワープレイで気持ちがやさぐれていた私は顔をしかめた。

だが、落ち着いてみると再発の可能性も考えておいたほうがいいのだろう。
備えあれば憂いなしである。
何年かあとに、再発しなかったら、
「CVポート入れてたけど、使わなかったねー。よかったねー。ハハハ」
となり、再発したら、
「再発したけど、CVポートあるからよかったねー。ハハハ」
と、どちらに転んでも「よかったねー」になるのだ。

そんなCVポートの埋め込み手術は3週間後の2回目のドセタキセル点滴の前日にすることになった。