じーちゃんの口癖は「分からん」「分からんでのう(分からないからなあ)」である。
エアコンの設定温度が高すぎたり低すぎたりして指摘すると、
「分からんでのう。」
と必ず言う。
この前、じーちゃんの若い時の写真を見つけた。
なかなかいい男だった。
「これいくつの時の写真?」
と聞くと、
「分からん。」
との返事。
「もてたんじゃない?」
と聞くと、やっぱり
「分からん。」
とのこと。
せっかくのいい男も何十年も経つと、ただのじーちゃんになってしまうんだなあ。
「分からんでのう。」の次に「出来んでのう。」もよく使う。
じーちゃんは6年くらい前から電気ポットが使えなくなった。
コンロは10年くらい前にボヤを出してから使わなくなった。
電子レンジは元々使えない。
そのため、私が働きに行っている間は夕ご飯をヘルパーさんに用意してもらう。
ありがたい制度があって助かる。
明日から夕ご飯を用意してもらうヘルパーさんを頼んだ。
「明日から夕方にヘルパーさん来るからね。」
と言った。
「久しぶりやのう。自分で出来んでのう。」
やっぱり言った。
「分からんでのう。」「出来んでのう。」を聞くと、イラッとする時もあるが、今のじーちゃんが正常運転していると思うことにしている。