せとるこの日々

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旅行の目的

今回の3泊5日のイスタンブール旅行の目的は友人のマヤちゃんとトルコで会うことだった。

マヤちゃんは28年くらい前、ヨーロッパのとある都市の大学で勉強していた。
そして夏休みにイスタンブールの安ホテルでバイトしていた。
私は当時バックパックを担いで旅行していた。
私達はイスタンブールで知り合った。

それ以来の付き合いになる。
年に1回連絡あるかどうか、という時もあるが、最近は比較的連絡を取り合っている。

マヤちゃんと同じホテルで働いていた下っ端の男の子がいた。
その子はマヤちゃんのことをAYI(熊)とかdeli(crazy)と言ってマヤちゃんに懐いていた。
マヤちゃんは熊のような風格とcrazyなところがあった。

時が経ち、その子が今はそのホテルの関連会社のマネージャーにまで昇格した。
だが、仕事の疲れからか心を病んでしまったという。

マヤちゃんは直接その元同僚の男の子とは20年以上連絡を取っていない。
マヤちゃんのスイスの家のご近所さん(トルコ人)からその情報を聞いたらしい。
ヨーロッパって狭いのね。

その話を聞いて私達は「陣中見舞いに行こう!」と決めた。
旅行の目的がひとつ増えた。

マヤちゃんは到着してすぐその元同僚のオフィスへ行った。
会社の人に来てないと言われた。
翌日、私も一緒に行った。
やっぱりいない。
会社の人が「電話が繋がらない。」と言った。

外に出てマヤちゃんはFacebookから元同僚にメッセージを送ったり電話をしたりした。
だが連絡が取れなかった。
旧市街を散策しながらマヤちゃんは何度か連絡した。
「相当病んでるのかな。」
すぐ連絡が取れて会えると勝手に思っていたので私達は少し戸惑った。

日が暮れる頃、私達は水タバコを吸っていた。
雨が結構降っていたので2時間くらい居座った。
いつも1時間くらいで切り上げていたけど水タバコは2時間くらいもった。

そこで雨宿りをしているとき、元同僚からメッセージが届いた。
「メッセージが来たわ!」
マヤちゃんが私を軽く叩いた。

彼のお父さんが脳腫瘍で手術が2日後にあるため東部の都市エルジンジャンの病院にいるとのことだった。
彼の実家は黒海沿いの都市トラブゾンだと聞いていた。
そうか、あの辺りの大きい病院はエルジンジャンになるのか。

電話の調子が悪いので繋がらないことが多いらしい。
連絡が取れなかった理由がわかった。
2日後に手術ということは、今回会えないんだな。

病んで引きこもっている訳ではなく、家族のために奔走していたんだ。
おじさんになったかつての少年に会いたかったが、いつかわからない次回のトルコ訪問までお預けとなった。

この後、マヤちゃんは彼と連絡を取っているらしい。
マヤちゃんと元同僚が再び連絡取るようになってとりあえず結果としてはよかったのかな。
彼も彼のお父さんも元気になりますように。

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