日本を出る時、私は成田空港の免税店で自分用の化粧水を購入した。
「やった安く買えた!」
と軽くスキップしていたら、あることに気付いた。
日本に帰ってきたら、帰りは成田から中部空港に行く飛行機のチケットを取っていた。
乗り換え時間が90分しかなかったので荷物は全部機内に持ち込む予定でいた。
化粧水を見た。
150ml。
液体の150mlってそのまま持ち込めないじゃん。
急いで調べた。
機内持ち込みは100ml以下の容器に入れること。
中身を減らしても100ml以上の容器は没収になる。
あー、やっちゃったー。
トルコで100mlの移し替え容器探さなきゃ。
そしてトルコに着いてまた別のことに気が付いた。
マヤちゃんににがりと麹を頼まれて、200ml、300mlの液体ボトルを持っていった。(行きは荷物を預けた。)
マヤちゃんは荷物を預けるだろうと思っていたら、
「荷物預けたら100ユーロ払わなきゃいけないから機内持ち込みなの。」
と言った。
あら、にがりと麹も100ml容器に移し替えなきゃ。
きっと若い頃なら事前にマヤちゃんに確認して容器も用意していただろうが、旅行勘が薄れたおばさんに容器の事前準備は無理だった。
「私達がテロなんてやるわけないのにねえ。」
なんて言いながらイスタンブールでまずやることが容器探しになった。
日本だったら100均に行ってすぐ用意できる。
だが、恐ろしいことにイスタンブールで100mlの容器が簡単に見つからなかった。
その昔は日用雑貨を乗せたリヤカーがそこら中にいたが、今はこぎれいになっていない。
「あのリヤカーにはあったんじゃない?」
と二人で無くなったリヤカー軍団を懐かしんだ。
グランドバザールから下ったあたりで100ml容器はどこにあるか何人かに聞きながら探した。
だいたいが「タフタカレにある。」という。
タフタカレは日用品のバザールだ。
だが、タフタカレでも見つからない。
「なんでプラスチックの100ml容器が無いの?みんな使ってないの?」
二人で愚痴愚痴言いながら、今度はショッピングモールに行った。
ありそうでない。
大型スーパーに行った。
やっぱりない。
前に比べて発展したように見えたが100mlのプラスチック容器が無いなんて・・・。
日本人のお姉さんはその日1日中仕事だった。
『どこで売ってるか知ってますかー?』
というメッセージを送った。
1日目は夜9時まで探して諦めた。
2日目はトルコ人の友人に付き合ってもらって容器探しをした。
バラット地区という最近観光地開発された地区で探した。
何件目かのちょっと小洒落たお店でやっと100ml容器を発見した。
マヤちゃんと固い握手をした。
はっきりいって今回の旅行の一番の思い出は100mlプラスチック容器探しだ。
その日の夜は日本人のお姉さんと夕食を一緒にした。
やっぱりメッセージが届いてなかったらしい。
「そういった容器なら○○や△△であると思うよ。」
と聞いたことのないお店の名前を簡単に答えてくれた。
ああ、初日の会った時に聞いておくんだった。
旧市街観光拠点のスルタンアフメット地区の土産物屋は同じようなものを売っている。
私はお店で100mlプラスチック容器を置くことを強くお勧めする。
やっと見つけた容器。ちょっとオシャレ。