せとるこの日々

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急性増悪

急性増悪とは感染症などを契機に元々の呼吸器疾患が急激に悪化することらしい。

7月に母は肺炎で入院した。
間質性肺炎は風邪をひいただけでも致命傷になると聞いていたので、入院したのなら、急性増悪になるのだろうか、と思った。

だが、約1ヶ月でそこそこ回復して退院した。
みんながみんな急性増悪にはならないようだ。

2週間ほど前、病院の看護師さんから電話があった。
「夜中にポータブルトイレに移動する際にバランスを崩して、床に倒れていましたが、問題はありませんでした。」
わざわざ報告の電話をしてくれた。
恐縮した。

すぐ母に『気を付けてくださいね。』とLINEした。
すると、結構早く返信が来た。
『みんな大げさで。先生も謝ってくれました。』
みんなに心配してもらって喜んでいるようだった。うーん。

今回の入院では、母は電話する時は決められた場所に移動するように言われた。
そのため前回の入院時より電話をする回数が減り、LINEが主流になった。

11月23日は母の83歳の誕生日だった。
頼まれたものと苺のショートケーキを持っていった。
『イチゴありがとう。』とすぐLINEが来た。

その4日後、11月最後の日曜日の朝、主治医から電話があった。
「昨夜、ポータブルトイレに移動の際、バランスを崩して倒れて、酸素が外れて、感染症になって、呼吸と心拍数が減って弱ってきまして、この先、生命に関わる話も出てくるかもしれません。」
あれあれ、また夜中に転んだのか。
でも先生からの電話で生命に関わるということは結構危ない状態なのか?

その後、看護師さんから開きのオムツを持ってくるように電話があったので、病院に持って行った。
病院に行くと、
「今は落ち着かれて会話ができるまで回復されました。」
と看護師さんが教えてくれた。
コロナ禍のため、面会禁止なのでかれこれ1ヶ月くらい顔を見ていない。

『元気だしてね』というLINEスタンプを送ったら既読になった。
スマホを触れるなら、大丈夫かな。

その夜、看護師さんから電話があった。
「心拍数が落ちてきて、先生から面会の許可が出ました。病院まで来られますか?」
というものだった。
これって、危篤状態?

30分の面会ができた。
少し前に寝たということだった。
ぜえぜえ言いながら寝ている母に30分語り掛けた。
右手首のギブスは取れていたので、右手首をさすった。

30分経って看護師さんが呼びに来たので、
「このまま病院で待機ですか?それとも家に帰った方がいいんでしょうか?」
と聞いた。

「お家で結構です。」
と言われたので帰路についた。

夜の12時頃横になった。
で、朝の4時前に電話が鳴った。
病院からだった。
すぐ病院へ走った。

病室の母は安らかな顔をしていた。
間質性肺炎の急性増悪によりお亡くなりになりました。」
主治医が言った。

これが急性増悪か、と思った。
土曜日の夜中から月曜日の早朝までの約1日ちょっとで急激に悪化してしまった。

間質性肺炎と診断を受けてから5年4ヶ月、83歳の誕生日の5日後に母は亡くなった。