2週間前に二七日法要のことを書いたが、三七日(みなのか)と四七日(よなのか)法要も終わった。
三七日は生前の不貞について調べるそうだ。
じーちゃんのお父さんは女遊びしたらしいが、じーちゃんは奥手だったそうだ。
これも問題無い。
四七日は生前の嘘について調べるそうだ。
認知症になってからは、やってないことを「やった」と言ったりしたが、これは嘘ではなく、記憶違いなので、嘘ではないな。
まあ、認知症になる前にいくつかの嘘はついているだろう。
でも、問題ないくらいの小さな嘘だけだと思う。
じーちゃんが亡くなって1ヶ月経つ。
まだ病院に入院しているような気がしたり、もっとずっと前に亡くなったような気がしたり、不思議な感覚が続いている。
まだいろいろな手続きをしているから、気が落ち着いていないんだな。
毎日、後飾り祭壇の遺影に話しかけている。
遺影写真のじーちゃんは素敵な笑顔をしている。
家族で出かけた時に写真を撮っても、じーちゃんはなぜかすましていい笑顔をしてくれない。
だが、デイサービスの写真ではいつも嬉しそうな笑顔で写真に納まっていた。
なので、遺影はデイサービスで撮ってもらった写真から選んだ。
私が一番好きな笑顔の写真は手作りの兜を被ってピースサインをしているものだった。
さすがに手作りの兜は遺影には向かないので、二番目に好きな笑顔の写真にした。
遺影写真に向かって話しかけていると、今年に入ってからの大変だった日を忘れてしまう。
後から思うともっと出来ることがあったんじゃないかと後悔することがある。
でも、写真のじーちゃんは笑って許してくれているように思う。
自分に都合のいい解釈をしている気もする。
じーちゃんの口癖に「えーよ、えーよ(いいよ、いいよ)。」がある。
写真のじーちゃんも「えーよ、えーよ。」と言っているように見える。
今日もじーちゃんは笑って「えーよ。」と言っている。