3月の下旬に実家の母はガラケーからスマホに変えた。
ご満悦だった。
スマホに変えた日、私が送ったLINEが既読にならなかった。
緊急事態があったら、家電話から連絡が来るだろう、と2日ほど様子を見た。
で、2日後、母の携帯に電話した。
呼出音が鳴って、少しすると、電話が切れた。
家電話に電話すると、母が出た。
「違うところ押しちゃって、電話が切れちゃった。」
母が言った。
「スマホどう?」
私が聞いた。
「全然、わからん。」
母が答えた。
(ギャハハハハ、やっぱり・・・。)
心の中で私は大笑いした。
で、使い方を教えに行くことになった。
「お待ちしております。」
普段は「来なくていいわ。」なんてぶっきらぼうに言う母がしおらしくなっている。
結構笑えた。
コロナワクチン接種があったので、4月に入ってからの週末に母に会いに行った。
やっぱりというか、コメダ珈琲でのスマホ講習会となった。
まず、母が紙に書いてきたお友達の電話番号を電話帳に登録した。
私が母に電話をかけ、応答のボタンの確認をした。
母から私に電話をかける練習もした。
母はタップするところを何でもスワイプしてしまう。
まあ、誰でもはじめは分からないからなあ。
母が家で練習している時、スマホに『何がやりたいんですか?』という文字が出たらしい。ははは。
とりあえず「ここは軽く叩くだけでいいよ。」と何回か言った。
で、LINEの文字入力の説明をした。
私は楽なのでフルキー入力を使っているが、母には十字型に文字が出るフリック入力がいいと思った。
スマホに変えた日にLINEの設定をしたら、母のお友達2人からすぐLINEメッセージがあった。
その時、フリック入力で「こうやるんだよ。」と教えながら私が返信をした。
「わかった、わかった。」と軽く返事をしていた母だった。
私にLINEを送る練習をした。
フリックするところをタップしてしまう。
まあ、はじめはわからないから。
その辺りの基礎的なことが解説本には書いてあったのだが、解説本は「目がチカチカするから読んでいない。」とのことだった。
色が鮮やかすぎるのかな。
電話の受発信とLINEの送受信の講習をした。
年を取るとなかなか新しいことを覚えるのは難しいが、最低限のアップデートは人も必要じゃないかな、と思うこともある。
どうかな、母はLINEが出来るようになるかな、と心配した。
その日、LINEを送ったら、返信が来た。
字が間違っているが、私は少し感動した。
その数日後、地震があったので、LINEした。
絵文字も使えるようになっている。
最低限のアップデートが出来たようだ。
私はホッとした。