せとるこの日々

更年期 ああ更年期 更年期

たぶん新米の看護師さん

今週は3ヶ月に一度の検査に行ってきた。
術後4年3ヶ月になる。
術後2年くらいまでは「再発したら・・・。」なんて検査の度にドキドキしていたが、4年も経つと、単なる健康診断を受ける感覚になっている。

今回はCTと骨塩定量検査と血液検査の順番だった。
まず指定時間の5分前くらいにCTの受付に行った。
CT検査室前は結構混んでいた。

「密になりますので、廊下でお待ち下さい。」
受付の人はテキパキと応対していた。

私が受診表を出すと、
「造影剤CTのあとに骨塩定量検査を受けると、造影剤の影響が出る可能性があるので、先に骨塩定量検査を受けた方がいいですね。すぐ検査可能か確認しますね。」
と骨塩定量検査室に電話をして検査可能か確認した。

「すぐ検査できるということなので、ご足労かけますが、先に骨塩定量検査を受けてきていただけますか。」
テキパキしているが、物腰の柔らかい人だった。

骨塩定量検査を受けて、CT検査室に戻ると、先ほどより人は減っていた。
だが、そこそこ多い。
さきほどのテキパキした受付の看護師さんは、まだテキパキと応対していた。

この看護師さんの応対を見ていた奥で、車いすに乗った高齢女性の血管を探している看護師さんの姿が目に入った。
若い眼鏡をかけた男性看護師さんが、一生懸命高齢女性の腕を指先で軽く叩いている。

5分以上経った頃、血管が見つけられなかったようで、先輩らしい人に代わっていた。

「私も先輩の方がいいなあ。」
いつもルート確保には時間がかかるので、さっさと血管を見つけてくれる看護師さんに当たることを期待した。

名前を呼ばれて椅子に座ると、先ほどの若い男性看護師が私の前に来た。
「ああ、新米さんの方だったか・・・。」
特に急いでいたわけでもないので、「ま、いいか。」という気持ちになった。

新米さんは自己紹介をしながら造影剤を入れるための点滴を持ってきた。
「あっ!」
と言うので、下を見たら、床に点滴が結構こぼれていた。
点滴が漏れている管を閉めると、彼はペーパータオルで急いで床を拭いた。

ペーパータオルを捨てると、手を洗わずに注射針を持った。
まあ、直接床には触れていないし、ペーパータオルもきれいなところしか持っていないので、セーフなのだろうが、「あれれ?」と思った。

「血管がなかなか見えなくて、前回は肘の近くで、前々回は手首の近くでやりました。」
私が説明すると、新米さんは手首の近くを指で軽く叩いた。
血管は見つからないようだった。

一般的に注射を打つ腕を曲げる場所を触って、
「ここは駄目なんですよね。」
と、新米さんが言った。
抗がん剤の時もここが入らなくてポートにしたんで・・・。」
私が言った。

今まで何回か「試していいですか?」と看護師さんに聞かれて、試してやっぱり駄目だった部位なので、今回も「試していいですか?」と聞かれたら、1回くらいはいいでしょ、と思っていた。
だが、新米さんは「ここは、駄目ですね。」と言った。
お、見えるのか!

今度は肘の近くを探し始めた。
腕をぐるっと回すのだが、それ以上回すんだったら、反対に回した方が見やすくないか?と思ったが、余計なことは言わないでいた。

しばらくして、
「これか!これだ!あったぞ!」
宝物を発見したように新米さんは喜んだ。

で、針を刺した。
私からは見えない位置だった。

「あ、あとでこれは拭きますね。」
ボソッと言った。
見えなかったが、腕に温かいものを感じた。
針を刺したところから血が流れているようだった。
私は苦笑した。

「今まで、これ(ルート確保)って2人がかりでやってました?」
新米さんが私に聞いた。
「そうですね。大体二人ですね。」
私が答えた。
「そうか、やっぱりそうだったか!」
お笑い芸人のようなリアクションにまた笑ってしまった。
マスクがあってよかった。

無事CT検査が終わって長椅子で点滴が終わるのを待った。
いつもは5分以上かかるのだが、座ってすぐ点滴は終わった。
最初にこぼしたからか?

CT検査は最近は半年に1回ある。
また半年後、新米くんが成長している姿を楽しみに私は病院を後にした。