先々週、職場の同僚にマリトッツォという菓子パンを教えてもらった。
写真を見せてもらったら、丸いパンに生クリームがたっぷり挟まれていた。
生クリームは大好きだ。
早速、先週土曜日に知ったばかりのマリトッツォを買いに走った。
同僚が教えてくれたスーパーのパン屋さんは、家から車で40分くらいなので、近場が好きな私は、家から15分くらいで行ける同系列のスーパーのパン屋さんに行った。
パン屋さんでマリトッツォを探すと、マリトッツォは6個くらい並んでいた。
「あれ?」
同僚に見せてもらった写真が手元に無かったので、比べることが出来なかったが、なんか様子が違う。
目の前のマリトッツォは元気がない。
買うかどうか迷った。
でも、同僚が「美味しい」と言っていたので、食べたら美味しいかもしれない、と思い直して、元気がなさそうなマリトッツォを買った。
家に帰って、少し冷やして初めてのマリトッツォを食べた。
パンがパサパサして、バタークリームのような味がする。
もう1回同じものを食べたいとは思わない味だった。
週明け、職場で同僚に、
「私が食べたマリトッツォ、微妙でした。」
と言って、自分の食べたマリトッツォ写真を見せた。
「これ、マリトッツォを知らない人が作ったんじゃないですかー?」
と同僚が言った。
確かに同僚の写真を見ると、似て非なるもの、というか、別ものだった。
私の食べたものはマリトッツォではないマリトッツォだった。
その日、職場の近くのコンビニでマリトッツォがあると聞いて、仕事帰りに買って帰った。
今回は見た目から本物のマリトッツォだった。
美味しかった。
「これが本物のマリトッツォかー!」
と声が出た。
本物のマリトッツォは何度でも食べたい。
流行りらしいので、これから色々なところで見つけることが出来るだろう。
数日後、ふと、最初に食べたマリトッツォではないマリトッツォはまだ売られているんだろうか、と気になった。
誰かに言われて本物に変身しているかもしれない、と思い、2日前にスーパーに見に行った。
気持ちクリームは増えていたが、元気がないというかやさぐれた感じのマリトッツォが並べられていた。私は本物を知ってしまったので、もうそれは買わなかった。
そのスーパーはたまにしか行かないが、これからそこのマリトッツォが変わるのか観察していきたいと思う。
だが、本物になる前に流行が終わって見なくなる日が先に来るかもしれない。